マーケティング

【AI時代のSEO】生成AIに記事を丸投げしてはいけない理由

私は毎日、白湯を飲んでいます。ペットボトルの水をちょうど良い温度になるまで鍋で温めて、一日3リットルくらいは飲んでいると思います。

この、ちょうど良い温度というのがけっこう難しくて、時には沸騰してしまって熱くて飲めなくなったり、生ぬるくて微妙な時もあったりします。

今は、ちょうど良い温度に温められた白湯を飲みながら、「人の心を動かす文章とはどんな文章だろう?」と考え、この記事を書いているところです。

はじめにお伝えしておくと、私の主張は「生成AIに記事を丸投げしてはいけない」というものです。

まずはじめに聞いておきたいのですが、あなたが記事を書く理由はなんですか?

上司に指示されたからですか?

あなたが上司や社長の立場なら、Webマーケティングのコンサルタントなどから、「コンテンツマーケティングをやりましょう!」と言われたからですか?

あるいは、書店のマーケティング本を読んで「コンテンツSEOなら費用をかけずに集客できる」と書いてあるのを目にしたからですか?

企業がコラム記事(ブログ)を書く理由は、主には「見込み客の獲得のため」です。

見込み客の獲得が目的であって、記事を書くことは目的達成のための手段です。

記事を書くことは手段であって、目的ではありません。ここを間違えると、「とりあえず毎日生成AIを使って記事を投稿すれば良いのか…」となりかねません。

見込み客を獲得するためには、人、つまり読者に行動を起こしてもらう必要があります。そして行動を起こしてもらうためには、読者の心を動かす必要があります。

生成AIは、綺麗な文章を書きます。専門家顔負けの隙のない論理的な文章を書くこともあります。でも論理的で隙のない文章だからといって、人の心を動かせるとは限りません。

論文を読めば新しい発見があるかもしれませんが、「よっしゃ、明日も頑張ろう!」みたいに、心を動かされるケースは少ないと思います。

この記事での私の二つ目の主張は、「生成AIに批判されるような記事を書け」というものです。

生成AIは、強い言葉や感情的な文章構成を嫌う傾向にあります。本来「です」と断定した方が文章としては説得力のある部分で、断定はリスクがあると考え、「そういうこともあります」に変更するように指示を出してきます。

確かに、断定はリスクのあるライティングです。でも専門家としての自分の立場をアピールできるものでもあります。

あなたが弁護士に仕事を依頼する時、
どちらに依頼したいと思うでしょうか?

  • 「私にお任せいただければ勝てる可能性があります」
  • 「私にお任せいただければ勝てます」

この記事での3つ目の主張は、人を動かすには温度感が必要ということです。

温度感というのは、人間味があるということです。「人は感情でモノを買う」というのはよく言われる話ですが、人は人間味のある感情に触れた時、心を動かされます。

そして生成AIは、ロジカルであるが故に、その感情的な部分が非常に弱いです。

ドラッグストアでティッシュを買うのに、特に感情は必要ないので、値札が書いてあるだけでも、セルフレジでも人はティッシュを購入します。

でもまだ「どうしよっかな?」と迷っている人、例えば、「この赤いワンピースは私に似合うかな?」と考えている人に対しては、言葉を使って感情に訴えかける必要があります。

「そのワンピース着たらきっと良い気分になるよ」
「表参道歩いたらスカウトされちゃうんじゃない?」

こういった言葉で、人の心を動かす必要があります。

生成AIは情報を体系的にまとめるのは得意ですが、人の感情に訴えかける文章を選ぶのが苦手です。

あなたも生成AIが書く「一貫して」とか、「設計」みたいな言葉を使った、正しいけれど何も響かない、何も言っていないのと同じような文章を目にしたことはありませんか?

こういう文章は、誰にも批判されないかもしれませんが、人の心を動かすという意味では役に立ちません。

生成AIに記事を丸投げしてはいけない理由

大事なことはすでに書いてしまいましたが、改めてまとめていきます。

生成AIの記事は行動を起こさせる力が弱い

繰り返しになりますが、記事を書く理由は、「見込み客に行動してもらうため」です。

この点を忘れないようにしましょう。

見込み客に行動してもらうためには、商品やサービスについて誰よりも理解している必要があります。

生成AIは世界中のデータを持っているのでデータベースとしては優秀ですが、あなたの会社の商品やサービスの専門家ではありません。

あなたの商品やサービスは、他社と何が異なるのか、どんな点で優れているのかは、あなたの口から語る必要があります。

どんな記事を書くにせよ、企業として書くすべての記事は文章を使ったセールスです。

生成AIは、物事の概念を説明するのは上手ですが、セールスマンではありません。代わりに営業を代行してもらうことはできないのです。

ありふれた優等生の文章になる

もしも記事を通して見込み客に行動を起こしてもらいたかったり、既存顧客にもっとファンになってもらいたかったりするのなら、ありふれた文章を書いてはいけません。

この記事の大事なポイントとなる4つ目の主張は、「他社が書いていることは書かない」ということです。

理由は2つあります。

  • 同じことを書いても上位表示されない
  • 同じことを言うと見込み客が違いを判断できなくなる

例えばあなたが、エアコンクリーニング業を経営しているとします。

SEO記事を書こうとなった際に、「エアコンクリーニング 頻度」のような記事を書こうと思い立ったとします。

この際に生成AIを使用すると、生成AIはすでに過去に公開された情報をもとに「季節の変わり目ごと、年2回がベスト」のような記事を作成します。そしてあなたは、「記事の内容に問題はないし、誤字脱字もないし良い感じ」と考え公開したとします。

でも生成AIが作る記事は、生成AIが持っている情報(すでに誰かが公開しているもの)がベースになるので、あなたが公開した記事と同じような内容の記事は、すでに誰かによって公開されています。

そのため、基本的には上位表示できないと思った方が良いです。

記事を公開する価値があるのは、すでに誰かによって公開されている記事の主張とは「異なる主張」をあなたができる場合です。

例えば、みんなは年2回と言っているけれど、あなたは年1回、あるいは年4回だと思っていて、その主張に根拠があるなら、検索エンジンはユーザーの意思決定に選択肢を持たせるために、あなたの主張を上位に表示する可能性が出てきます。

また、誰もが同じことを言っているなら、見込み客が自社を選ぶ意味がなくなります。どれもが生成AIで作られた記事なら、読者が直接生成AIに聞けば良いわけであって、検索を使う意味がなくなります。

検索エンジンに評価されづらい

生成AIが作った記事をそのまま公開していると、検索エンジンに評価されづらいです。

理由は記事の内容に独自性がないからで、検索エンジンは独自性を非常に重要視しています。

今の時代、独自性、つまり、独自の主張や経験に基づいた内容がないと、上位表示はされにくいです。

それどころか、インデックスすらされないケースもあります。

「いや、生成AIにすべての記事を書かせてるけど、うまくいっているよ」という方も中にはいるかもしれません。

それは、生成AIを使いこなしているということで、素晴らしいことですが、今うまくいっていることが、将来的にもうまくいくとは限らないという視点も大事です。

これは生成AIを使っていない記事にも言えることですが、あまりにもSEOやAIOなどを意識して記事を書くと、不自然な構造になり、検索エンジンの品質基準に引っ掛かり、アルゴリズムのアップデートの際にすべての記事がまとめて順位下落する可能性があります。

そういったリスクも考えると、生成AIにテンプレートの指示で丸投げして記事を更新し続けるのはおすすめできません。

記事の内容に責任を持てなくなる

さすがにいないと思いますが、生成AIが書いた記事をそのまま公開するのは、責任を持てなくなるという意味で、企業としては危険です。

何かがあったときに「生成AIに言われた」みたいな言い訳をしても通用しません。

生成AIが書いた文章でも、最後に更新した人や、その人が所属している企業に責任が発生します。

生成AIは万能ではありません。万能どころか、現状は、かなりの頻度で間違えます。

その分野に詳しくない人だと、間違っていないように思えることでも、専門家が見たらすぐに間違いだと気づくようなことでも、自信を持って主張してくるのが生成AIです。

まとめ

今の時代、生成AIを使わないという選択肢はないと思います。

でも使えるからと言って、丸投げは良くありません。生成AIは文章作成が得意です。だからこそ、丸投げしても大丈夫だと思いがちです。

丸投げして作られた文章では、人の心を動かせません。

パソコンやスマートフォンを使って文章を書いていると忘れてしまうかもしれませんが、文章や記事は媒介の手段であって、本質は人と人とのコミュニケーションです。

大切なのは温度です。

あまりにも尖りすぎて四六時中沸騰(炎上)している人たちも、インターネットの世界にはたくさんいます。

企業は真似してはいけません。

しかし、生成AIの文章のように、あまりにもぬるいのも考えものです。

ちょうど良い温度の文章を書く。それができるのは、今のところあなたや私のような生身の人間だけです。

テクニカルディレクター/マーケター

SHIMI

Web業界の仕事が好きです。ディレクションからコーディング、運用やデータ分析まで担当しています。ただ作っただけで終わりにならない、成果の出るサイト制作を心がけています。

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