「meta descriptionはSEOに関係ない」の誤解。AI時代は『インデックス要因』として捉える
最近、新規サイトの立ち上げに携わったのですが、トップ配下のページが意図通りにインデックスされないという状況が発生しました。
サイト立ち上げ初期はドメイン評価が低いため、クロール頻度も低くなる傾向にあります。
この場合にできる対策は、サーチコンソールを使用したインデックス登録の手動送信(インデックス登録をリクエスト)です。
通常、インデックス登録は順番待ちの形式になっており、ネット上にたくさんある「インデックス登録待ち」のページ群が、順番にインデックス登録を待っているようなイメージです。
この順番待ちの際、「インデックスの登録をリクエスト」すると優先的にインデックス登録の審査を受けられると言われています。
であれば、インデックス登録をリクエストした方が効率的ですよね。お行儀良く順番待ちをしている人にとっては迷惑な話ですが。
有名な心理学の実験に「カチッサー効果」というものがあるのですが、ご存知ですか?
これは、心理学者のエレン・ランガーさんという方が行った実験なのですが、人は、よく考えたらおかしな話でも、それらしい理由付けがあれば、深く考えずに承諾してしまうというものです。
例えば、列に並んでいる人がいたときに、普通に「前に入れてください」と頼んだら断られますが、「急いでいるので、前に入れてください」と依頼すれば、要求が通る確率が高くなるというかんじです。
これは人間の認知バイアスに関する実験で、マーケティングなど、ビジネスの場でも応用されています。人間は、正しく物事を見られなかったり、常識に囚われて思考停止してしまったりしがちです。
そんなことを考えながら、私はインデックスされていないURLを1つずつリストアップし、サーチコンソールから登録を申請して行きました。
その際に、「インデックスされていない原因はなにかないか?」という点もあわせて調査しました。
特に大きな問題はなかったのですが、強いて言えば、descriptionが個別に設定されておらず、サイトのコンテンツ内から自動で吐き出される仕様になっていた点が気になりました。
この仕様の場合、意図しないdescriptionが吐き出されてしまったり、途中で途切れたりといった現象が起きやすくなります。
ECサイトなど、大規模なサイトであれば問題ないですが、小規模サイトの場合、個別に適切な設定した方が良いです。そこで、descriptionを設定し直して、インデックスの登録申請をしました。
結果的に、数日で該当するページはインデックスされました。
ここで今回の話はめでたしめでたしなのですが、本題はここからです。
昼食後の午後にこの記事を読んでくれている方は、導入文の長さに嫌気がさして、たぶん瞼が落ちてきている頃だと思います。
なので先に結論だけ伝えておきます。
私が主張したいのは、descriptionはランキングシグナルではないかもしれないけれど、検索エンジンや生成AIのインデックスの判断材料には使われている可能性は否定できないという点です。
例えばGoogleはインターネット上の図書館として、ネット上に存在するあらゆるコンテンツを自社データベースで食べ尽くしていました。それは2000年初期のGoogleの使命でもありました。
ところが、ある時から状況は変わりました。
- Bloggerやアメブロなどを初めとした、ブログサービスによって手軽に誰でも情報発信ができるようになった
- 生成AIによって短時間に大量のコンテンツを生み出せるようになった
特に、生成AIの威力は凄まじく、ものすごいスピードでネット上にコンテンツが溢れかえりました。
そして、ここで新たな問題が生まれました。
かつては、いかにして早く、できるだけたくさんのページ(コンテンツ)を食べるか(データベースに登録するか)が技術上の問題でしたが、今では、いかにして無駄なものを食べないか(データベースに登録しないか、あるいは削除するか)が問題になったのです。
目次
meta descriptionはSEOに関係ないというのが業界の見方

SEO業界では以前より、「meta descriptionはSEOに関係ない」と言われています。
これは、Googleの関係者が公に発信していることでもあり、一般的には正しい見方だとされています。
ただ、「効果がない」=「全く意味がない」ということではなく、CTR(クリック率)には影響があるので、間接的には効果があると言われています。
クリック率が高くなる→ユーザーにとって価値あるページだと認識される→掲載順位が上がる
だから「直接的な効果はないけど、設定はしておこう」というのが、業界関係者の見方です。
descriptionの意味から考えるSEO的な意味
まずは基本に立ち返って「meta description」のそもそもの意味を考えてみましょう。
「meta description」は説明文、概要文を意味する言葉です。

HTMLソース側で設定すれば、上記画像のようなイメージで、検索結果に表示されます。
確かに、一般的に言われているように、descriptionにはSEO的な効果はないかもしれません。
ただ、CTRというのは、検索エンジンにインデックスされて、検索結果に表示された後の話のことで、そもそも、昨今のSEOでは、先ほどお伝えしたように、まずはインデックスされることが重要になります。
そして私が考えているのは、ランキングとインデックスは別軸の話なのではないか?という点です。
SEOというと、一般的には検索順位改善のことが刺されることが多いです。ただ、検索順位の前には、まずインデックスされるかどうか?というフェーズが存在します。
ここを見落とすと、「descriptionにSEO効果はないから意味がない」という飛躍した結論にたどり着いてしまう可能性があります。
インデックスの流れ
ここでインデックスの流れについても見ておきましょう。
簡単にまとめると、次のような流れでインデックスが発生していると思われます。
- ページを発見
- クロール
- データベースに登録するか(品質のしきい値を超えているか)の判定。
ランキング決定の流れ
あわせて、ランキング決定の流れについても見ていきます。
- ページを発見
- クロール
- データベースに登録するか(品質のしきい値を超えているか)の判定。
- ランキングシグナルに沿って順位を決定
ランキングシグナルというのは、「E-E-A-T」や「オリジナリティ」のことです。
この2つの流れを見ればわかる通り、検索結果の掲載順位を上げるためには、まずは正常にインデックスされるかというのが非常に重要な点です。
検索エンジンはどうやってページの内容を認識するのか

検索エンジンは、クローラーというbotを使いインターネットの海を泳いでいます。
別名スパイダーとも呼ばれているので、リンクを蜘蛛の巣のように操り、WebページからWebページを渡り歩いていると言った方が、イメージに近いかもしれません。
検索エンジンのクローラーは、どのようにWebページの情報を認識しているのでしょうか?
Webページ一つ一つのHTMLソースを丁寧に、上から下まで読み込でいるのでしょうか。
世界中で毎日、数億のWebページが爆発的に増えているという現状、かつ検索エンジンの計算リソースは有限であるということを踏まえると、全てのページに対して、ヘッダー、フッター、数千文字の本文を毎回1から全て解析するのは、あまりにも非効率のように思えます。
そこで考えるべきなのは、botが行う初動の内容判断において、titleタグ(そのページの題名)や、meta description(要約文)を読み、大枠の内容を判断するというアプローチを取る方が、システム設計上、自然なのではないかという点です。
AI(生成AI検索)も同じような動きをしているのか

最近では、SEO以上に、AIOやAEO、LLMOといった内容を気にするクライアント様が増えている印象です。
これらは、SEOの延長線で、生成AI検索の最適化と捉えられています。
ここで重要なのは、「いかにして生成AIに引用されるようなサイトになるか」という点ですが、ここでもやはり、いかにしてインデックスされるかというのは重要な点です。
そして、生成AIについても、検索エンジンのbotと同じく、titleとdescriptionが文脈判断に使用されている可能性は否定できません。
だからこそ、descriptionにおろそかにしてはいけません。
まとめ
今回の記事は、私が実際に体験したインデックスされないという問題から、descriptionの役割についてを考えた内容です。
でも本当にお伝えしたいことは、descriptionが大事ということでも、生成AIがdescriptionを文脈判断に使用しているかもしれないという点でもありません。
お伝えしたいのは、世間一般で言われている点について、自分で考えてみることの必要性です。常識は大事です。でも常識にとらわれることで、問題を解決できなくなることがあります。
答えの開示されていない分野では、とくにです。
サイト運営に長く携わってきた方なら、世間一般で言われていることについて、「本当だろうか?」と思うようなことがいくつかあるはずです。そんな時は、矛盾点を見つけ、仮説を立て、検証してみることです。
そうすることで、不合理な認知バイアスから逃れられる場面が出てくるかもしれません。「急いでいるので、前に入れてください」と言われた時に、「えっ、ちょっと待ってください」と主張するために必要なのは、立ち止まって常識を再検討してみる勇気なのではないかと私は思います。
