「医療広告ガイドライン違反」の通知が届いたら?まず確認すべき3つのこと
ある日突然、「貴院のホームページに医療広告ガイドラインに抵触する表現があります」という通知が届く。
「ホームページはプロの制作会社に任せていたはずなのになぜ?」と、驚いてしまうかもしれません。
しかし、まずは慌てずに通知の内容を確認しましょう。
通知が届いたからといって、慌てて該当ページを削除したり、通知元から案内されたサービスを契約したりする必要はありません。
まず確認したいのは、「誰から届いたのか」「何を指摘されているのか」「いつまでに、どのような対応が必要なのか」の3点です。
近年では、「医療機関ネットパトロール」事務局を装った、なりすましによる迷惑メールや問い合わせも確認されています。
この記事では、医療関連のホームページ制作に携わり、YMAAマーク(薬機法・医療法適法広告取扱個人認証)を取得している私が、「医療広告ガイドライン違反」の通知が届いた際にまず確認したいポイントや、実際に違反が確認された場合の対応について、厚生労働省の資料をもとに解説します。
目次
「医療広告ガイドライン違反」の通知が届いたら、まず確認すべき3つのこと

通知が届いたら、まず以下の3点を確認しましょう。
- 誰から届いた通知なのか
- どのページ・広告表現が指摘されているのか
- 対応期限や求められている対応は何か
法律用語を根拠に指摘されると、「すぐになんとかしないと」と思う気持ちはわかります。
でもだからといって、いきなりホームページを削除したり、通知元の指示に従ったりする必要はありません。
後述しますが、「医療機関ネットパトロール」事務局を装ったなりすましの可能性もあります。
また、実際に医療広告ガイドラインに抵触していた場合でも、問題となっている表現や掲載方法を適切に修正することで対応できるケースもあり、必ずしもページ自体を削除する必要があるとは限りません。
まずは落ち着いて、通知の内容と送り主を確認することが重要です。
①誰から届いた通知なのか
厚生労働省では「医療機関ネットパトロール」を実施しており、医療機関のウェブサイトについて医療広告ガイドラインへの抵触の有無を確認しています。
ただ一方で、「医療機関ネットパトロール」事務局を装った、なりすましによる迷惑メールや問い合わせも確認されています。
また、営業目的の連絡のケースもあります。
そのため、「厚生労働省」「医療機関ネットパトロール」などの名称が記載されているという理由だけで、本物だと判断しないようにしましょう。
②どのページ・広告表現が指摘されているのか
通知が正規のものであることを確認したら、次に指摘されているページや広告表現を確認します。
なお、民間業者から営業目的で送られてきた通知であっても、指摘されている内容自体は正しい可能性があります。
その場合は、その通知業者に依頼しないにしても、「医療広告ガイドライン」に沿ってホームページを修正しましょう。
「ビフォーアフター写真」「体験談」「比較優良広告」「自由診療に必要な情報の不足」など、医療広告ガイドラインにはさまざまな規制があります。
指摘された箇所だけを機械的に削除するのではなく、「なぜ問題なのか」をガイドラインやQ&A、事例解説書などと照らし合わせて確認することが重要です。
医療広告ガイドラインについて詳しく知りたい方は、下記記事をお読みください。
美容クリニックのホームページは医療広告ガイドラインの規制対象?
また、一定の条件を満たすことで、本来は広告できない事項についても広告が可能になる「限定解除要件」については、下記記事で詳しく解説しています。
美容クリニックのビフォーアフター写真は掲載NG?「限定解除」の条件を解説
③対応期限や求められている対応は何か
通知には、改善状況を確認する時期や、求められている対応などが記載されている場合があります。
厚生労働省が公開している医療機関への通知例では、本状到達後「1か月を目途」として改善状況を確認する旨が記載されています。
参考:医業等に係るウェブサイトの調査・監視体制強化事業について
修正後に通知元への報告が必要かどうかについても、届いた通知の内容を確認しましょう。通知元から回答方法や報告について指定されている場合には、その内容に沿って対応します。
また、すべての通知に一律の期限が設定されているとは限りません。「1か月」という期間は、あくまで厚生労働省が公開している通知例に記載された目安です。
実際に通知を受け取った場合には、記載されている期限や対応方法を確認したうえで、できるだけ早めに対応しましょう。
その通知、本物?「医療機関ネットパトロール」のなりすましに注意

厚生労働省の「医療機関ネットパトロール」では、医療広告ガイドライン違反の疑いがあるウェブサイトの通報受付や監視を行っています。
参考:医療機関ネットパトロール
公式サイトでは「医療機関ネットパトロール」事務局を装った迷惑メールや問い合わせが確認されているとして、注意喚起しています。
特に、メールなどで突然連絡を受けた場合には、そのまま信用するのではなく、現在の公式情報と照らし合わせて確認しましょう。
民間業者からの営業との違い

ここが少しややこしい点です。
民間の企業が、医療広告ガイドライン違反を指摘しているケースもあります。
例えば、ホームページ制作会社やコンサルティング会社などです。
医療広告ガイドライン上の問題点を指摘したうえで、修正やサイト制作を提案するケースも考えられます。
この民間業者からの営業と、公的機関を装った「なりすまし」は別のものです。
また、営業目的での連絡であっても、指摘内容が間違っているとは限りません。
医療広告ガイドラインと照らし合わせて、問題が確認できた場合には、実際にその業者に依頼するかは別として修正が必要です。
弊社でも、「医療広告ガイドラインに違反しているという通知が届いた」といったご相談をいただくことがあります。その中には、医療機関ネットパトロールからの通知ではなく、民間業者による営業目的の指摘だったケースもあります。
そのため、通知が届いた際には、指摘内容だけでなく「誰が、どのような立場で送っているのか」まで確認することが重要です。
実際に医療広告ガイドライン違反だった場合、どう対応すればよい?

続いて、実際に医療広告ガイドラインに照らし合わせて問題があった場合の対応についてです。
まずは指摘内容と医療広告ガイドラインを照合する
自院のホームページと、医療広告ガイドラインを照らし合わせて、どこが問題なのかをチェックしましょう。
厚生労働省が公開している「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」では、具体的な広告事例とともに、問題となるポイントが詳しく解説されています。
参考:医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)
なお、医療広告ガイドラインの規制対象はホームページだけではありません。SNS上の情報についても、内容によっては医療広告に該当し、規制対象となります。
そのため、SNSの投稿などについて指摘を受けた場合には、ホームページと同様に内容を確認し、問題があれば適切に修正しましょう。
事例解説書には具体的なNG例なども掲載されているため、まずは自院の広告表現と照らし合わせながら、どこに問題があるのかを確認することをおすすめします。
同様の表現がサイト内に残っていないか確認する
ホームページの作りによっては、問題のある表現が複数箇所で使用されているケースがあります。
例えば、ビフォーアフター写真を掲載する場合には、治療内容や費用等、主なリスク・副作用等の詳細な情報を、患者さんにとって分かりやすい形で掲載する必要があります。
「サイト内のどこか1箇所に記載しておけばよい」というものではありません。
複数のページにビフォーアフター写真を掲載している場合には、それぞれの掲載箇所について必要な情報が分かりやすく記載されているか確認しましょう。
厚生労働省の事例解説書では、ビフォーアフター写真からリンクを張り、遷移先のページに詳細な情報を掲載する方法についても、患者さんにとって分かりやすい情報提供とはいえない事例として紹介されています。
そのため、指摘を受けたページだけでなく、サイト内に同様の広告表現がないか横断的に確認することが重要です。
ビフォーアフター写真の掲載条件や限定解除要件については、下記記事で詳しく解説しています。
美容クリニックのビフォーアフター写真は掲載NG?「限定解除」の条件を解説
今後の更新時にもチェックできる体制を作る
医療広告ガイドラインは、ホームページ制作会社や、広告代理店であれば、誰でも知っていて当たり前というものではありません。
そのため、ホームページの制作や更新をすべて任せっきりにしてしまうと、知らないうちに医療広告ガイドラインに違反していた、ということにもなりかねません。
公的機関から指摘を受けることはもちろん避けたいですが、それ以上に、広告表現によって患者さんに誤解を与え、トラブルにつながってしまうことは避けたいところです。
院内にWeb担当者やマーケティング担当者がいる場合には、一度は厚生労働省が公開している「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」などに目を通しておくことをおすすめします。
また、新しい施術ページや症例写真、キャンペーンページなどを公開する際には、医療広告ガイドラインに問題がないか確認してから公開するなど、継続的にチェックできる体制を整えておくことも大切です。
どこに確認すればいい?医療広告に関する相談窓口
通知が本物なのか判断できない場合や、広告表現について確認したい場合には、医療機関を所管する都道府県、保健所設置市、特別区などの医療広告相談窓口に確認する方法があります。
厚生労働省では、各自治体の医療広告に関する相談窓口一覧を公開しています。
参考:各都道府県、保健所設置市及び特別区における医療に関する広告の窓口一覧(厚生労働省)
不審な通知に記載されている連絡先へ直接問い合わせるのではなく、厚生労働省などの公式サイトから正しい窓口を確認することが重要です。
まとめ:違反通知が届いても、まずは送り主と内容を確認する

「医療広告ガイドライン違反」という言葉を見ると不安になるかもしれませんが、まず確認すべきなのは、「誰から届いたのか」「何を指摘されているのか」「いつまでに何をすべきなのか」の3点です。
通知の真偽を確認したうえで、本当に医療広告ガイドラインに抵触している場合には、根拠となるガイドライン等を確認し、適切に修正しましょう。
バイテックでは、YMAAマーク(薬機法・医療法適法広告取扱個人認証)を取得したスタッフが、医療広告ガイドラインを踏まえたホームページ制作や既存サイトのチェックを行っています。
「医療広告ガイドラインについて指摘を受けたものの、どこを直せばよいか分からない」
「自院のホームページにほかの違反箇所がないか確認したい」
といったご相談もお受けしております。医療広告ガイドラインに沿ったサイト改善でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
